BLOG ブログ

文武両道~勉強&スポーツのすすめ~

こんにちは。

ホープアカデミーの藤原です。当塾には隣にテニススクールがあり、テニスをされている生徒も多く通ってくれています。テニススクールに隣接して塾を開校したのにはもちろん理由があります。その理由を今日はお話したいと思います。

勉強とスポーツは両立可能?

勉強とスポーツというと両立は難しいというイメージがあります。部活動などに一生懸命だと疲れ果てて勉強に使う時間が少なくなる、体を動かすことが好きで、座って勉強するのは退屈など、理由は様々だと思います。実際に勉強とスポーツを両立している生徒はすごい!と羨望のまなざしで見られますが、本当のところは、それはまったくの”でたらめ”です。スポーツをしてさらに勉強ができるのではなく、「スポーツをするから勉強ができる」が正しいのです。
その理由をお伝えしていきます。

スポーツと勉強の相関関係の研究

これについては結構有名なお話で、2000年ごろからアメリカなどで、勉強とスポーツの相関関係が盛んに研究されてきました。その研究結果がなんと「スポーツをすることと勉強の成績には相関関係がある」ということでした。なんのこっちゃわからないかもしれませんが、端的に言うと、勉強ができる子はスポーツもできる、スポーツができる子は勉強もできる、ということです。
そのメカニズムとしては、身体活動によって、脳の毛細血管の成長、血流の増加、活動に必要な酸素の増加、記憶を司る海馬の成長、ニュートラルネットワークの密度の高まりなどが起こるそうです。実際の実験の結果でも、ずっと勉強している子供より、適度に休憩をとり、身体を動かす子供のほうがテストの結果がよくなるということが確認されています。それ以来様々な調査が行われていますが、そのほぼすべての調査で身体活動が学力に及ぼす影響はマイナスなことはないという研究結果も報告されています。科学的にも運動をするということは学力の向上にもつながる大事なファクターなのです。
つまり、学力を上げようと思えば、スポーツや運動をしっかりさせることも必要だということです。

時間の使い方

研究結果でも示されているとおり、身体活動を行うことによって、勉強にもよい影響を与えるということは証明されています。それでも、スポーツを一生懸命やると勉強する時間が無い、と思われる方もいらっしゃることでしょう。
確かに勉強に費やす総時間は少なくなるかもしれません。ただ勉強の成果というのは「量×質」で出るものです。量ばかり意識して学習時間をとっても、質が上がらなければ学力はついてきません。それどころか時間を無駄にしているようにさえ感じます。学習時間、すなわち「量」を上げるのは簡単です。ですからこだわって追求してほしいのは「質」です。ここでは詳しくは書きませんが、質とは、時間の使い方や取り組む内容、集中力などです。
学年が上がれば自然と量はついてきます。そのときに質が高くなければ、量をこなしたとしても成果は少ないでしょう。たくさん働くことが良いというような日本人の国民性でもあるように感じますが、質にこだわる習慣をつけてほしいものです。
話はそれましたが、与えられている時間が少ないほうが、その時間で何をするか、どうやって目標にたどり着くか考えて行動するようになります。スポーツをしている人としていない人では、そのあたりに対する考え方が圧倒的に違います。最初は少しの差でも日々続けていく勉強などになると、その差は大きくなるのです。
時間をうまく使えるようにするためには、「時間は有限」という認識を早くつけさせてあげることが重要なのです。

考える力の育成

私が勉強とスポーツに携わってきて、スポーツをしている人としていない人で決定的に違っていると感じる部分は「考える力」です。
スポーツというのは、種目にもよりますが、圧倒的に自分で考える時間が長いです。もちろん身体的な成長、技術の向上などは必要なのですが、練習や試合を通して、「勝つために何をやるか」をみんなが考えてやっています。特に自分が好きなスポーツであれば勝ちたい気持ちは大きいと思いますので、勝つためには何をするべきなのか、どういったプレーが有効なのか、どう練習に取り組むのか、うまくなりたい人ほど考えます。また優秀なコーチは選手にそれを考えさせることができます。
これは脳の使い方のトレーニングになっています。困難な場面に直面したとき、自分の中にある知識や技術などのスキルを使ってどう乗り切るのか、頭を使って考えることを覚えます。
逆に脳の使い方がわかっていなければ、せっかく習得している知識や技術をどこで、どう使っていいのかわかりません。そうなると、勉強をしてもテストでは成果が上がりませんよね。
スポーツをしている子としていない子では、脳の使い方が圧倒的に違うのです。

スポーツと勉強の共通点

スポーツができる人は勉強もできるという研究結果は上で見ていただいた通りです。
勉強とスポーツに両方関わっている私としては勉強とスポーツには共通する点も多いと感じています。
具体的にどういったことが似ているのか、見ていきましょう。

マニュアルがある

勉強もスポーツもマニュアルが存在します。勉強であれば教科書であったり、参考書であったりですし、スポーツであれば、手本を見せてくれるコーチであったり、教則本であったりと、具体的にどうやって取り組むかを学ぶことができます。決して1から自分で考えて始めるわけではありません。
勉強であれば教科書を見て英単語を書いたり、語句を覚えたり、文章を暗記したり、まずは本などに載っていることをなぞる、スポーツであれば具体的な動きなどをコーチに教わってやってみる、自分で本を見ながらチャレンジするなどですね。
どちらも何か手本となるものがあり、それに沿って取り組むことからスタートするという点で共通しています。

反復して練習する

そして2つ目の共通点が、「反復する」ということです。
勉強では漢字や英単語などを覚えるまで何回も書いたり、問題に取り組んだりして身につけます。スポーツも基本的な動作を反復して練習することによっていつでも正確に狙った通りに行うことができるようにします。
「繰り返して身につける」これも勉強とスポーツで共通しているところですね。

目標を立てて計画的に取り組む力

スポーツでも勉強でも必ず目標を立てますよね。
勉強なら「〇〇高校に受かりたい」とか「テストで10番以内をとりたい」など目標を立てるでしょう。スポーツ、例えばサッカーであれば、「リフティングが100回できるようになりたい」とか「大会で3位以内に入りたい」などです。
そして目標を達成するために計画を立てます。どこから勉強すればいいのか、どういったトレーニングをすればいいのか、そしてそれに向かって毎日取り組むところがスポーツも勉強も共通しています。

まとめ

身体を動かすことで脳が活性化し、勉強にも良い影響を与えることは、前述したとおりです。
最後に、スポーツが勉強に与える影響について、塾講師の私から一言。

夏まで部活をがんばっていた生徒が、部活を辞めた後、勉強のスイッチが入り、ものすごい成果を出すのは、意外と多い事例です。
部活をせず勉強をしていた生徒に比べて、成績が伸びる角度が全然違います。
その生徒はスポーツで得たものは何なのか?

きっと「ひたむきに頑張る」ことだと思います。
急に精神論チックになってしまいますが、現場で指導をしているとよく感じることです。
スポーツの世界では、試合の度に勝ち負けがはっきりと出ます。世界のトップアスリートであっても負けたことがない選手はいないでしょう。
悔しい思いもしながら、それでも目標に向かってひたむきにがんばる、これを繰り返して成長していくのがスポーツだと思っています。
その習慣を勉強に向けると、時にものすごいパワーを発揮します。

それがスポーツで得られる大きな部分であり、勉強でも力を発揮する大きな要素ではないかと思います。

スポーツをさせるか迷っているお父さん、お母さんには、子供に好きなスポーツを見つけてもらい、チャレンジさせてみてはいかがでしょうか。
[addtoany]